ワクチンを打つべきか
院長です。
市や自院の乳児健診でごく稀に両親の方針でワクチンを接種していない子をみます。
ワクチンを接種していないといっても、全てのワクチンを打っていないパターンもあれば、取捨選択の上で一部のワクチンのみを打ち、一部打っていないというパターンもあります。
自分がそういう子をみた場合は、その時の必要性に応じて声かけや説明はしますが、説明しないこともあります。
少し前にワクチンを打っていない親をスルーしたら、看護師から「先生はなぜ黙っていたんですか?」と聞かれました。その時は事前にその親が自由意志にしたがって打たないと決定しているのを知っていたので何も言いませんでした。
法律上はワクチンを打たせるのは行政の義務であって、親や子どもはワクチンを受ける権利があるだけです。医療関係者は打つべきものとして推奨はしますが、打たない権利を侵害することはできません。昭和~平成までは「みんな一緒」の時代でしたが、令和に至っては「多様性」の時代で、ワクチンを打つことを強要したり、打っていないことを非難することは「ワクハラ」と言われるようにもなりました。
ワクチンを打たない不利益はたくさんあります。
子どもの砂場遊びは破傷風菌の感染リスクがあるので危ない行為になるでしょう、ブタが多い県への旅行も日本脳炎の感染リスクがあるので危険でしょう、海外留学したいと思っても拒否されることもあるでしょう、子どもが妊娠したときに風疹になれば孫が先天性風疹症候群になって子どもと孫の人生は狂うでしょう、医療・介護・教育・警察・消防・交通機関で働くことを考えたときには自費で多額の費用をかけてワクチンを打つことになるでしょう、健康体である自分が感染症にならないとしても保菌者となって隣にいる免疫不全状態の友達を重症感染にさせてしまう可能性があるでしょう。表面的には良く接してくれているママ友もワクハラと言われるのはイヤなだけで心の底ではそういう人たちを嫌っているかもしれません。
「多様性」の時代なので、そういった不利益を受けるのも自己責任として許容すべきことになっています。強くワクチンを打ちましょうと言われると心理学的にバックファイア効果が働くかもしれませんが、「言われるうちが華」だと思います。
