メニュー

風邪と対症療法

[2025.09.26]

院長です。

知り合いに「ぼくって風邪ひかないんですよね。インフルエンザにもなったことないし、それっていいことなんですか?」ときかれました。なかなか示唆に富む鋭い質問だと思います。
風邪は”ウイルス感染による軽症の上気道炎”のことをいいます。
ウイルスは人から人に伝わって感染が広がっていきます。ウイルスが体の中に入ると、免疫がはたらいて、発熱や鼻汁・咳嗽などの症状を出してウイルスを排除します。この一連の経過を「風邪をひく」と言います。
その人には小さいこどもがいるので家族から風邪ウイルスをもらう可能性は高いはずです。また、職業的にも風邪ウイルスをもらうことが多いと思われます。

では、「風邪をひかない」とはどういうことか。

理論的には下のような可能性が考えられます。

  1. ウイルスが体の中に侵入できない。
  2. ウイルスが体に侵入して免疫ははたらくが、症状なくウイルスを排除できる。
  3. ウイルスが体に侵入しても免疫反応が起こらない。

その人がふだんマスクをしているのを見たことがないので”1”はないと思います。インフルエンザを含めたほとんど風邪ウイルスは免疫反応で排除されるはずで”3”もありません。つまり、その人に起こっていることは”2”だということになり、医学的には”不顕性感染”といいます。 ウイルスが体に侵入すると免疫でウイルスを排除するが、生体に不利益な事象も起こさずに治癒できることはいいことだと思います。

小児科の外来では、風邪と診断した場合に「熱を抑えるくすり」や「咳や痰を抑えるくすり」といった”対症療法”の薬が処方されます。これらの薬は症状が抑えられるだけで免疫を抑えるわけではないので、治療の目的は上の”2”を目的としていると言えます。
熱に関しては”免疫が良好にはたらける体温”、かつ”無駄なエネルギー消費がない体温”という意味では”high grade fever”と呼ばれる39℃以上でない熱、つまり38℃台を維持した方が風邪は早く治るように思います。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME