マンモグラフィの被ばく量
放射線の単位
放射線の単位として、吸収線量と実効線量があります。
吸収線量は、放射線が人体を透過するとき吸収される線量(グレイ)
実効線量は、放射線の種類や臓器によって与える影響を補正した線量(シーベルト)
を表します。
乳房が浴びる放射線量
乳房が浴びる吸収線量は1回あたり1~3ミリグレイで、大部分の組織において放射線による影響が出ない値(500ミリグレイ以下)です。そもそもマンモグラフィでは乳房を中心とした狭い範囲しかX線が照射されず、範囲外の頭部や下腹部などは放射線による影響をほとんど受けません。胎児に奇形が生じる心配がない値(100ミリグレイ以下)に比べてもはるかに少ない線量なため、検査後に妊娠が発覚した場合も心配ないと言えます。
マンモグラフィによる実効線量は1回あたり0.05~0.15ミリシーベルトです。数百ミリシーベルトを超えると癌になる確率が増加すると言われていますが、マンモグラフィによって癌になるリスクが増えることはありません。
私たちは普段から宇宙や大地から放射線を浴びており、被ばくしています。その量は年間2.4ミリシーベルト程度と言われています。マンモグラフィ検査は、検診として2年に1回、経過観察を要する場合、年1回や半年に1回行うことがありますが、1回のマンモグラフィによる放射線量は自然界から受ける量の1/50~1/20であり、問題ないと考えられます。1回の撮影で浴びる放射線量は、東京とサンフランシスコを飛行機で往復する間に受ける放射線量(0.076ミリシーベルト)とほぼ同等であり、こう聞くと安心していただける方も多いのではないかと思います。