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インフルエンザの予防~その2~

[2025.10.21]

院長です。

インフルエンザの流行の兆しがあるとのことで、某製薬会社のMR(薬剤情報担当者)が抗インフルエンザ薬の案内に来ました。だいたい知っている内容でしたが、話している中で”予防内服”についてはよく考えた事がなかったなぁと思いました。

インターネットで調べても値段・投与方法・投与回数を比較した紹介はたくさんあるのに、効果の比較がない。というわけで、抗インフルエンザ薬の予防内服の効果を調べてみました。

自分には何の後ろ盾もなく、大人の事情的なものもなく、忖度なし、論文・学会風にいえばCOIもないので、良くも悪くも好きに書けます。情報はインタビューフォームを参照しているのでソースの信頼性はあると思います。

いずれも家族がインフルエンザに罹患した同居家族を対象とした試験です。

 

ゾフルーザ

プラセボ群100人中13.6人発症に対して、投薬群100人中1.9人が発症

イナビル

 プラセボ群100人中16.9人発症に対して、投薬群100人中3.9人が発症

リレンザ

 プラセボ群100人中6.1人発症に対して、投薬群100人中2.0人が発症

タミフル

 プラセボ群100人中12.0人発症に対して、投薬群100人中1.0人が発症

 

 それぞれの臨床試験で対象も違えば流行株も違うだろうし、何をもって発症としているかも微妙に違うし、試験規模も違うだろうからそのまま受け取るわけにはいきません。

家族内感染率は約20%らしいので、リレンザはプラセボの発症者数が他より少なく臨床試験時の流行株の感染力がかなり低かった可能性があり、”100人に2人しかならない”をそのままに受け取ることはできません。

 上の数字をリスク比として並べると予防内服効果は タミフル>ゾフルーザ>イナビル>リレンザの順になります。家族内発生率20%とすると、タミフルは1.6%、ゾフルーザは2.7%、イナビルは4.6%、リレンザは6.6%の確率で予防できない。計算が間違ってたらすいません。

 結局、価格・投与の確実性・効果のどれをとってもタミフルかな。

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