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クーネルアソブ

[2025.10.27]

院長です。

8月後半から9月は台風の接近、季節の変わりめで温度変化が大きく、秋の風邪も流行、ダニも増殖しきった時期ということもあって、喘息発作の受診が増えます。もともと喘息のない子も喘息のような症状がでて、こちらから「喘息といわれたことあります?」ときいてお母さんにびっくりされる時期です。

診察終了時によくある質問に「どうなったら再診すればよいですか?」というのがあります。
喘息の教科書には”発作の強さ”を喘鳴・陥没呼吸・体勢・会話・歩行・SpO2で評価するよう記載されています。
年長児なら診察で「夜眠れた?」「しんどい?」と聞くと「寝てるときにちょっと咳でた。ちょっとしんどいかな」とか、「寝れ…な…い…、しん…ど…い」という反応だけで小発作・中発作・大発作が判断できます。ただ、この指標だと、会話も歩行もしない乳児では判断が難しいですよね。

そこで、医学的ではないですが、「クーネルアソブ」があります。自分が研修医だったころに先輩に教わりました。
クーネルアソブと書くとなんだかわかりませんが、もともとは自動車のCMで使われた糸井重里さんが作ったキャッチフレーズで、漢字で書くと「食う寝る遊ぶ」、健全な生活とは食べて・寝て・遊ぶことだということだそうです。逆に、これができないと健全な状態ではない。

もしお母さんが”呼吸が変だな”と思ったら、クーネルアソブができているかを確認するとよいでしょう。
「ミルクは飲むし、寝れてるし、起きてるときは遊んでるな」と思えたら”小発作”相当で様子見でよいだろうし、「まったくミルクをのまないし、寝てくれないし、しんどそうでみてられない」は”大発作“相当で「これは入院もありえるかな…」と思いながら受診する必要があります。

まさかクーネルアソブという言葉がひとり歩きして医学に利用されているとは糸井重里も考えてなかったでしょうね。

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