乳児健診とヒトという動物
院長です。
乳児健診がなぜあるかを考えたことはありますでしょうか。
乳児健診では成長、発達、健康状態、その子を取り巻く状態の確認をして、場合によっては対策を講じたり、経過をみていったりします。これって必要なのか?
乳児健診の教科書にはその歴史や、その意義などが記載されていますが、自分の個人的な解釈では「ヒトという動物だから健診をする」と思っています。
人間以外の動物のことはよく知りませんが、おそらく、その動物どうしで健診をしていないと思います。動物の中には生まれて数時間で立ち、走り、自分で食べ物を食べ始めるものもいます。逆に、成長がおそいもの、発達がおくれているもの、健康でないものは淘汰の対象となるはずです。
一方で、ヒトはどれだけ優秀な個体であっても動物として基礎的な「自分で動き、エネルギーとなるたべものを得る」ということが1年くらいできません。どれだけ優秀な個体であっても、自然発生的に言語を獲得しません。
子供は大人より柔軟なので、何か不得意そうなことがあっても、早期に特別な対応すれば不得意なことでなくなる可能性を秘めています。そして、「気づいた頃には時すでに遅し」にならないようにするシステムが乳児健診だと思います。
健診を実施する身としては、なかなか緊張感がある仕事だと思っています。